カテゴリー: 貝博の日常

ウメボシあり〼

 「写真展・知られざる真鶴の海」、好評いただいています。来場いただいたみなさま、どうもありがとうございます。貝博リピーターの方はすでにお気づきかと思うのですが…この写真展、少しづつ変化しています。先日フロアに登場したのは、実物大のダイバー人形。

そして彼が構えるカメラの先には…ウメボシイソギンチャク。真鶴半島では県の天然記念物にも指定されているウメボシイソギンチャクですが、見たことない方も意外と多いのではないでしょうか?触手を伸ばして赤く咲き乱れる姿は見事ですよ。そして縮んだ姿はまさしく南高梅。大玉でちょっと甘めのやつ。

おもしろいことに、水槽には大きい個体しか入れなかったはずですが、いつの間にやら小さい個体が並んでいます。どうやら大きい個体が子供を産んだ模様。いや、産んだというより吐き出したというべきでしょうか。運が良ければその瞬間に立ち会えるかもしれません。

 写真展はそろそろラストランに入ります。ウメボシ君たちと真鶴の海中世界、お見逃しなく!

新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。みなさまにとって幸多い一年となりますことをお祈り申しあげます。

今年も貝博ではさまざまなイベントが目白押しです。今日はさっそく次のイベントの準備を進めておりました。使える貝の在庫を確認して、汚れていれば掃除して。ふと気がつけば、いつのまにかメルヘンワールドに足を踏み入れてしまっていたようです。あぶないあぶない。イベントの告知は貝博のエントランススペースにも掲示してありますので、ご来場の際はぜひご覧になってください。

こんな貝博を本年もどうぞよろしくお願いいたします。

きらりと光る⭐︎貝のクラフトキット!

日本全国の、いや、世界中の貝磨きファンのみなさま、お待たせしました!このたび貝博では、「きらりと光る貝のクラフトキット」を製作いたしました。キットの中には、ワークショップでも使用したアワビの貝チップが入っています。これを同封のヤスリで磨き上げ、穴にストラップを通せば…真珠のようにキラキラ輝くキーホルダーのできあがり。ストラップの代わりにチェーンや革ヒモを付ければ、ステキなネックレスにもなります。貝チップは一つ一つ形や模様が違っています。自分好みのものを選んで、世界で一つのオリジナルアクセサリーを作りましょう。

キットの販売に合わせて、貝博でも作業できるスペースを作りました。ご家族で楽しんでいただくこともできますので、受付で声をかけてください。仕上げ磨きも受付で引き受けますよ。もちろん、ご自宅に持ち帰って貝磨きを楽しんでもOK、プレゼントにもバッチリです。持ち帰る場合は、同封の説明書にある手順と注意点をよく読んでくださいね。

「きらりと光る貝のクラフトキット」は、貝博でしか手に入らないオリジナルグッズです。この不思議な輝きを、ぜひ貝博で体験していってください。

 

ワークショップレポート

11月のワークショップではたくさんの方々に来場にいただき、また、満足の声を多くいただき(アンケートでは「楽しめた」の声が100%!)、運営側としてもうれしい限りでした。当日のレポートを貝博のエントランスホールに展示してありますので、お近くの方はぜひご覧になってください。参加者のみなさんからいただいたご意見も紹介しています。

今回のワークショップでは、参加者のみなさんにアワビの貝チップを磨いてもらったのですが、実は、準備段階ではヤコウガイのチップも用意するつもりでした。なぜ「でした」なのかと言うと…挫折したんです。先のブログでも紹介したように、貝チップを作るには、機械を使って裁断、粗削り、穴あけを済ませておく必要があります。アワビでの作業にだいぶ慣れてきたので、ではヤコウガイに置き換えてちょいっとな…なんて軽く考えていたら、ヤコウガイはまったくの別物。固いのなんの。削ってもなかなか真珠層に到達しません。穴あけのドリルは長く回しすぎてへばってしまうほど。結局、1つのチップを完成させるのに、アワビの5倍以上の時間がかかってしまいました。これでは大量生産は無理!ということになり、今回は残念ながら見送りとなりました。ヤコウガイの殻は地色が緑で美しいので、地色が赤のアワビと対にしたら大人気間違いなし!という学芸員の妄想は、ヤコウガイの固さの前にあえなく散ったのでした。学芸員の手元には、友人から譲ってもらったヤコウガイが並んでいます。次回、リベンジなるかっ!?

ワークショップ準備その2

今日はいったいどうしちゃったんだという寒さの中、ワークショップの準備を進めました。先日作った貝チップを見直し、穴の位置などを微調整しました。できあがったチップが粉まみれだったので、水で洗うと…あらゴージャス。たくさん繋げたら何かすごいものができそう。地方豪族の古墳から出土してもおかしくない。真鶴古墳群出土品 真珠様貝繋ぎ首飾り 飛鳥時代中期。←フィクションです。念のため。
 明日も準備を進めます。ちなみに、今回のキーホルダー作成にかかる時間は30分ほどです。参加者のみなさんには貝チップを紙やすりで磨いてもらいます。時間をかけて磨けば全面に真珠光沢を出すこともできるのですが、個人的にはアワビ本来の赤い模様が少し残る方がかっこいいと思います。とはいえ、そこは本人の好み次第。当日は満足いくまで磨いてもらってもOKですよ!

ワークショップ準備その1

来週にせまったワークショップに備えて準備を進めています。今日はサポーターズの方に指導いただきながら、アワビの貝殻チップを作成しました。
まず、アワビの殻をディスクグラインダーで小さい断片にして、だいたいの形に整形します。
それからストラップをつける穴をドリルで開けて、さらにグラインダーで表面を荒く削って真珠層が見えるようにします。
とがった角を丸くするのも忘れずに。…と機械を使った大人の工作教室みたいな感じなのですが、厄介なのが粉塵。粉まみれになること必至です。マスクが欠かせません。

今日は合計100枚ちょっとの貝殻チップができあがりました。アワビのついでにヤコウガイも削ってみたりして。ワークショップはもう来週。お楽しみに!

今回使用しているアワビの貝殻は真鶴の飲食店から提供いただいています。貝博の活動へのご理解とご協力、どうもありがとうございます!

法螺笛の修理

貝博で大人気の展示品の一つが、「遊んでみようコーナー」にあるホラガイの笛です。
うまく吹けた人もそうでなかった人も、みんな笑顔にしてくれるステキな一品です。
そんなホラガイですが、先日、机から落ちてしまい、大きなヒビが入ってしまいました。落ちないように調節しないといかんなぁ…と思いながら、とりあえずいったん裏方に下げて修理することに。
あらためてホラガイを見てみると、今回のヒビ以外にも細かいヒビがチラホラと。きっと以前からヒビが入っていたのでしょう。
そんなヒビの一つ一つにボンドを塗っていると、なんだか感謝の気持ちが湧いてきます。
ありがとう、いつもみんなを楽しませてくれて…。応急処置ではありますが、ヒビは塞がり修理は完了。

展示室に戻ったホラガイは、さっそく誰かを楽しませてくれているようでした。みなさんのご来館、ホラガイと一緒にお待ちしています。

ストローエビ増殖中

先日、貝博では、ミニミニワークショップ「ストローエビを作ろう!」が開催されました。講師は貝博受付のFさんです。
実は、来館者から熱いリクエストをいただきまして、急遽ストローエビ講座が開かれたというわけです。

このストローエビ、貝博サポーターズの松本農園さんが作り方を教えてくださったもので、貝博でちょっとしたブームを起こしています。
作るのに準備するのはストロー、そしてハサミ。以上! 10分もかからずにかわいいエビができあがります。うーむ、実によく特徴をとらえている…。応用すればバッタを作ることもできるそうで、松本農園さんはシュロの葉っぱで雰囲気抜群のバッタを作って見せてくださいました。ストローエビは受付の周りにちょこちょこ並んでいますので、気になった方は受付さんに声をおかけください。
リクエストがあればまた教室が開かれるかも?コツは「くるりんぱ」ですよ。

アツいぜ!貝合わせ

貝博の「遊んでみようコーナー」には貝合わせのセットがあります。
アサリやハマグリなどの二枚貝は、その名の通り2枚の貝殻を持っています。
この2枚、同じ個体の殻同士はピッタリ合わさっているのですが、違う個体の殻はうまく合わさりません。
よく似た色形のものであっても、必ずわずかな隙間ができてしまいます。
貝合わせはこれを利用した遊びで、いくつも並べたハマグリの中からピッタリ合う組み合わせを探すゲームです。
トランプならぬ貝を使った神経衰弱といったところでしょうか。
 先日、倉庫を整理していたところ、ハマグリの殻がゴロゴロ入った箱を発見。なんじゃこりゃと思ったら、箱の中には「貝合わせ上級編」の札が。
さっそく挑戦してみました(←仕事です)。さすがは上級編、並べてみると大きさも柄もそっくりな殻ばかり。見比べ、探して、合わせる。これを繰り返すこと50組以上。かかった時間は…33分!中にはどの貝ともつがいにならないジョーカー貝も入っていて、結構かかってしまいました(←仕事です!)。
ちょうど来館していた少年にも10組+ジョーカーを渡してみたところ、5分ほどで完成させてしまいました。…完敗です。今、ここに新たな競技が生まれました。競技貝あわせ(10組の部)、世界記録5分05秒です!
 貝博では新記録を目指すアツい挑戦者を募集しています。学芸員までお声をかけください。世界貝合わせ協会公認の競技セットをお出しします。ただし、ルールでは途中ギブアップは認められておりません。…なんせ一度バラすと戻すのが大変なので。

蘇るタカアシガニ

貝博玄関ホールの巨大タカアシガニにお色直しが施されました。
甲殻類の乾燥標本はどうしても色落ちしてしまうもので、貝博のタカアシガニも例に漏れず、すっかり色あせた茶色でした…そう、昨日までは!
そこに現れた造形の魔術師、渡部先生(本当は貝博初代館長です)。黄色と赤を足して…ご覧くださいこの生まれ変わった姿を!あっ、作業前と並べてビフォア・アフターにすればよかったかも。
 タカアシガニは世界一大きいカニ。長い脚を広げると幅3m以上に達します。明治時代に日本を訪れたヨーロッパの学者たちを驚愕させたそうです。
そりゃあ驚きますよね。やや深い場所にすむカニですが、深海漁が盛んな相模湾や駿河湾ではよくカゴ漁で漁獲されています。
貝博の標本は渡部先生が漁師さんから譲り受けたカニを肉抜きして仕立てたものだそうで、旧貝博(遠藤邸)でも展示されていたそうです。
まさしく貝博の門番といった感じですね!